ものづくり

 中学校の技術科の学習内容を規定する学習指導要領が改訂される。3年後の全面実施にむけて先行実施されてきている。今回の全国大会ではその実践やその趣旨説明がメインの研究となって佐賀、兵庫、宮﨑の発表がおこなわれていた。学校教育の中で行なう「ものづくり」は、社会全般で行なう「ものづくり」とは違っていて当たり前であるが、今回の改定では技術科での「ものづくり」の捉え方は大きく転換してきている。

技術科の授業で目指す生徒に身につけさせたい資質や能力は、単に何かをつくるということではなく、生活や社会における問題を見いだして課題を設定して、そのためのものづくりへとつなげる力としている。さらに、課題の設定はあくまで生徒自らが生活や社会の中から見つけ出すようにとしている。製作品を学校で作り上げて自宅にもちかえるという授業パターンの発想を変えることがそこでは必要だ。生徒がエンジニア的に学校生活や地域の課題を解決できる力をつけるという大きなねらいがあるようでもある。課題解決にむけて生徒が技術的基礎理解を生かして試作品やプロトタイプの製作、設計の見直し、課題解決にむけた対話的学びによる学習成果を目指す実践が求められてきている。要は生徒自らが課題を設定でき、技術的見方・考え方で解決する力をつけることが技術科の授業では求められている。

 学校で授業を行なう以上は評価が伴う。それは生徒にも教師にも伴う。それを考えるとしょうがないのだが、単にものづくりの楽しさを伝える、教える、体験するといった授業を国は求めてはいない。課題を解決するための手立てのひとつとしての「ものづくり」であることを求めている。学校生活や地域の課題をみつけるための手立てとして、例えば、先人たちの作った製作品の観察や今のある電気機器を分解していくことなどが必要としている。そのことはそれでもちろん大切であると思う。

   そのために生活体験での手加工や道具を使うことが少なくなっている今の生徒たちにとって単に「ものづくり」をするという体験さえ貴重だと考えるが、文科省は課題解決をするためのものづくりを求めてきている。その手立てとしてプロトタイプづくり、試作品をつくるために3Dプリンターや3Dソフトの活用を進めてきている。デジタル機器やコンピュータの発達は技術科の内容や授業時間を大きく変えてきた。中学校3年間の技術科授業時間は私が教師なった時は70+70+105時間=245時間から35+35+17=87時間になった。そして今回、「ものづくり」の捉え自体も変えて、技術科では技術的ものの見方や考え方を作品の代わりに自宅に持ち帰ることでよいということなってきた。20年後は技術科という教科自体が存在しないという感が今回佐賀に行って思ったことです。生産人口の減少は外国人労働者の雇用を国会審議もほとほどに受け入れざるを得ない状況にまでなっている。「生産技術」という文言はもうなくなってしまったようにも感じる。ものづくりへの授業時間は削りに削って来ているのに教えるべき内容は変わらないどころか増えてきている。アクティブラーニングで生徒同士の活動で課題をみつけ再考させていく時間も大切な活動だが、授業時間は同じ時間なのだから当然、実際の製作に充てる時間は減っていく。文科省はそれが狙いなのではないかとも勘ぐってしまう程です。

今回も文科省の教科調査官は改訂指導要録の実践についてのみ話をしていたが、技術科の置かれている現状や展望については言及することはなかった。閉会式で大会宣言がよみあげられた。その中には免許外教員の問題や研修のあり方、施設設備面の充実が書かれたいたが絵に描いた餅のように空々しく響いて感じられた。全体会の質疑の時間も正規の教員たちによる正規教員のための正教員の研究でしかなかったように思う。地方都市では技術家庭科の教員の不足は深刻であるはずであり、教育内容の違いもかなりあると思う。どの道、なくす教科だからと文科省では話し合っているんではないかとも疑ってしまう。この教科の今置かれている状況を一番知っていて、変えることが出来る人は誰なのだろうか。

 

 

 

 

 

 

会場の近くの公園にモミジバフウ(紅葉葉楓)の並木がありました。

 

 

 

 

 

 

 「プログラミング」も「ものづくり」も単に面白いということを感じられるそんなスペース、空間、時間も必要だと感じさせてくれたことは今回、佐賀に行ったことで学んだことです。ものづくり工房 技術室での活動として継続して行なっていこうと気持ちを新たにしました。

一方、技術科の授業にどう取り組むのか、授業内容を考えるのも面白いもので、特に何を課題として生徒に取り組むように仕掛けるかを考えていきます。人が木工などのものづくりをするのはなぜなのか。中学生に課題として考えさせたいものです。人が生きていくということは課題解決という視点だけでは片付けられないとも考えます。そこには哲学的に人間を問う場面や視点が必要だと思います。何が人の豊かさなのか?

 今日も木工旋盤でけやきのぐい飲みを製作に女性がきました。切り絵で飾り付けしたお盆も持ってきてくれました。生徒に実物をみせたいものです。

軽トラ改造

 

下関から授業を終えて工房に戻るとキャンピングカーの軽トラがとまっていました。全国の日和山を巡っている方で、九州を1週間かけて巡ったいる途中に工房に寄ってくれました。軽トラを見事に改造されていて、ソーラーパネルを屋根に積んでアンカーパワーで炊飯してご飯も炊けるようにしています。電気毛布も使えるようにしていました。これから山口を起点に全国の日和山を巡っていこうというパワー全開の方で、なんと元技術科教師の先輩でした。こんな出会いができることに感謝です。全国にはいろいろな方がいるものです。

 

 

 

 

 

 

 

 私は、明日から佐賀で行なわれる全国技術・家庭科の研究大会に2日間いってきます。軽トラで行きますが車中泊ではありません。

スピーカーボックスの製作

 スピーカーの手作りを始めた行橋市内の方がツイーターボックスを製作にきました。ルータービット55㎜で深さ25mmの穴をあける加工です。たたこれだけの加工ですが、70歳を過ぎてから趣味で始めた真空管アンプづくりやスピーカーづくり。高級なスピーカーも自宅にはあるそうですが、自分で作っているこのスピーカーがそれなりの音を出してくれることをとても期待しているとのことです。

 現役時代は電話線工事の仕事に携わっていて直径0.32mmの銅線を3600本手作業でつなぐ作業をしていたことを話してくれました。光ファイバーの時代でもこの作業は大切な作業とういうことです。中学校の技術の授業で教えたいことのひとつに技術者たちの地道な作業を当たり前に行う凄さがあります。こういった職人技を持った方々が現場を支えていたのだと改めて感じ今日の出会いを感謝しました。大きなプロジェクトを成し遂げる人もいます。この方のように社会インフラの下支えの仕事をずっとしてこられた方々も大勢います。どちらも大切なことです。

技術科の教師として教壇に立つ限りは、未来に関わる技術を教えることも必要ですが、今の生活を支えている技術やそれをつくった技を教えて行けたらと思いました。

情報配線施工工の仕事紹介ページ

 

 

カホン完成とガリ版

 カホンが完成しました。今回は杉の木目が残るように仕上げてみました。音も自分としては満足いく感じに仕上がっています。小学6年生の女の子が叩いてくれるようになります。

 

 

 

 

夕日の沈む平尾台をバックに写真に収めてみました。

 

 

 

 

 ガリ版印刷機を手に入れました。11月の門司レトロでの木工展示会では、それぞれの工房の紹介チラシを掲示することになっています。チラシも手づくりにこだわってガリ版刷りにしてみます。学校現場では、私が教員になってすぐになくなったガリ版ですが、古本舎でガリ版を使っていろいろな印刷物を作ってみようと考えています。

銅の看板完成

 銅の看板づくりに来ている筑紫野市と行橋市内のペア組が来て完成をさせました。バーナーであぶったり、いぶし液を塗ったりと叩いたりとして出来上がりました。見事な出来上がりです。明日から添田町で行われるマルシェにて写真を展示するとのことです。ものづくり工房 古本舎の看板を作ってもらうことにしました。古本屋内に掲示する写真もお願いしました。楽しみです。いろいろな方の手伝いを受けながらいよいよ建屋も製作です。